カカオのこと(1)

カカオ

日本在住、ご近所でカカオの木を見たことはある?

チョコレートは大好きだけど、よく考えたら何も知らないような気がする・・・
原料が「カカオ」ってことは知ってるけれど、カカオを見たことはない。

ご近所の庭や家庭菜園でカカオを育てている人って思いつかないね。
「今年はカカオがたくさん採れたのでおすそわけです」って言われたことない。
日本だけかな?

まずはカカオはどこで育っているのか調べてみよう。

カカオの生育地域はどこ?

カカオは熱帯地域の限られた場所でしか育たない植物です。

正確には「カカオベルト」と呼ばれる赤道を挟んだ南緯20度~北緯20度あたりの地域に生育します。「コーヒーベルト」と呼ばれるものもあります。そちらは南緯25度~北緯25度あたりの地域になります。カカオもコーヒーも世界中で愛されていますが、どちらも限られた地域で育つ貴重な植物です。

日本ではカカオは育てられない?

国土地理院によると、日本の最南端は東京都沖ノ鳥島(おきのとりしま)、北緯20度25分31秒になります。日本ではカカオベルトにしっかり入っている地域はなさそうです。残念ながら日本では気軽にカカオの木を見ることができる確率は非常に低くなってきました。

カカオベルトって何?

「カカオベルト」とは、カカオが生きていくために必要な環境が揃っている場所です。

なぜ「カカオベルト」と言われるのでしょうか?

カカオの木から「カカオの実(カカオポッド)」ができます。

カカオポッドの中で大切に大切に育った豆が、チョコレートの原料となる「カカオ豆」です。

カカオ豆の大切な栄養素は、細胞の中に豊富に蓄えられた「カカオバター」です。「カカオバター」、つまり脂肪分が50~55%程度含まれているのですが、他の豆類に比べると脂肪分の割合が非常に多くなります。

例えばコーヒー豆は約15%、大豆は20%以下、米は2%程度の脂肪分が含まれているそうです。カカオ豆の脂肪分はとても多いことがよくわかります。

カカオバターが液体の状態であれば、カカオ豆の中で十分に栄養が行き渡ります。そして順調に成長することができます。カカオバターは18度以下で固まってしまう性質があります。液体状態を保てるのは、気温が18度以上でなければなりません。脂肪分が固まってしまうとたちまちエネルギー源が断たれ、カカオ豆は生命の危機にさらされてしまいます。

カカオの木は寒さだけでなく乾燥や直射日光が苦手です。カカオの木は直射日光を避けるため他の樹木の下でカカオの実を育てます。カカオ農園では、カカオの木のために日陰を作ってくれる木(シェイド・ツリー)を植えるそうです。

このような条件が揃う地域は熱帯雨林地域となります。赤道付近の地域が「カカオベルト」と呼ばれる理由がここにあります。

やっぱり日本では「カカオの木」を手軽に見ることは難しい?

上記の条件を揃えることができれば、「カカオベルト」以外の地域でも「カカオの木」や「カカオの実」を育てることは可能だと思われます。実際に日本でも「カカオの木」を育てているところがあります。自宅やご近所の庭で気軽に熱帯雨林地域の環境を再現できれば、おすそわけも夢ではないかも!?

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